2010年11月21日日曜日

人はわかりあえない。が…

人と話し合えばわかりあえるというのは嘘だ。どんなに親しい人でもわかりあえずケンカになることがあるのに赤の他人と話し合えばわかるというのは嘘だ。

「人と話し合えばわかりあえる」という命題の対偶は「わかりあえない人は人ではない」。人と話し合えばわかる、と言う人は話して分かり合えない人を「仲間」じゃなく敵と認定するのかな。

僕は無理に人とわかりあおうとする必要はないんじゃないかと思う。Mr.Childrenの「掌」にあるように「認め合えれば」それでいいんじゃないのか。相手のことを理解しなくてもできなくても、そこに存在するのを「認めれば」いいんじゃないのか。

人はわかりあえない。が、認め合うことはできるはずだ。

2010年11月8日月曜日

日本の有人活動はどうあるべきか

宇宙工学という授業の中のレポートで
(A)有人宇宙活動で重要な技術は何か
(B)日本の有人活動はどうあるべきか
(C)「きぼう」利用で得るべき成果と、社会還元の方策
の中から1項目選び1200字以上で述べよ、というのがあったので。
選んだのはタイトルの通り「日本の有人活動はどうあるべきか」



 現在、日本の有人宇宙活動はISSでの活動のみとなっており、ISSと地上との往復には退役間近のアメリカのスペースシャトルかロシアのソユーズを使っている。自力で有人宇宙飛行を実現しているのはロシア、アメリカ、中国の3カ国のみであり、日本は衛星打ち上げ国であるが有人宇宙飛行は実現していない。JAXAは2005年にJAXA25/長期ビジョンにおいて有人宇宙飛行を実現する技術を独自に確立する、としている。日本の有人宇宙活動はどうあるべきかの方向と内容について考えたいと思う。

 まず日本がわざわざ有人宇宙飛行を実現すべきか、という問題である。某仕分けではないが「なぜ日本が有人宇宙飛行をするのか」ということである。さらに言えば、民間の宇宙旅行が実現に近づいている中で国がする有人宇宙飛行をなぜするのか、ということである。ただ人を乗せて宇宙に行き、地球に戻ってくるだけならば民間でできることであり、日本という国がやる意義は少ない。有人宇宙飛行で何をするのかということを考えるのは、日本の有人宇宙飛行の前提の問題である。

 現在、ISSにおいて日本はきぼうという実験モジュールを持ち、様々な宇宙実験を行っている。が、日本人の滞在期間は半年のみであり、きぼうの使用に関して制限がある。そこで日本独自の有人実験モジュール打ち上げ、日本人常時宇宙滞在を目指すのはどうだろうか。ISSの運用が終わるころの2020年以降においてポストISS、きぼうとなる実験モジュールを打ちあげる。その中で日本人常時宇宙滞在による長期実験の実施である。現状のきぼうの実験では半年という期間で実験を行っている。独自の実験モジュールを持つことで1年以上の長期的な実験ができるようになり、実験の自由度が上がると考えられる。また、現在ポストISSとなりうるような宇宙ステーション計画は提案されていない。継続的な宇宙環境における実験の場の提供という意味においても実験モジュール打ち上げを目的とした有人宇宙飛行は意義があるのではないだろうか。

 JAXAの前身であるNASDA時代に「ふじ」という有人宇宙飛行船構想が発表された。HTVは与圧部分を含んだ補給船であり、安全性はともかく日本独自で人を乗せて宇宙に送り出すということが現実味を帯びてきた。HTVによる技術を活かし、「ふじ」をベースにした有人宇宙計画を日本は目指すべきだと私は考える。HTVによる無人での宇宙からの帰還技術の確立などをした後、有人による宇宙飛行が考えられるが、有人宇宙飛行の実現は意外と早く、2020年代中盤にはできるのではないだろうか。

 「なぜ有人宇宙飛行なのか」ということは全ての有人宇宙計画に言えることである。無人に比べ有人宇宙飛行は安全性や必ず帰還しなければならないことから、コストが無人と比べ高くなる。そのような中で月や小惑星、火星に人を送り込むというフロンティア精神も大事であるが、そのような場合はロボットによる無人探査も検討すべきだろう。有人宇宙飛行のやる意義を考えたうえで、日本の有人宇宙活動が進んでいくことが理想である。そのように進んでいけば日本だけができるという技術が蓄積され、いずれ有人宇宙飛行において日本が最前線に立つであろうと私は信じている。

参考URL
ポストISSを意識した2016~2020年のISS計画について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/015/003/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2010/06/25/1294545_6.pdf
JAXA2025/長期ビジョン
http://www.jaxa.jp/about/2025/index_j.html