2011年4月18日月曜日

原発反対派は何に反対してるの?

 福島第一原発の事故で世論も一気に反原発、脱原発の流れができたわけです。まあその理由にはいろいろとあるのでしょうが、反原発派が具体的に何に反対してるのかがわからない。反原発のレベルと言ってもさまざま。今の古い原発が動いてるのを止めたいのか、全ての原発を止めたいのか、そもそも核エネルギーを使うことすら反対するのか、そこら辺が各人のスタンスが曖昧な感じがするんですよ。もっとはっきり言えば、「なんかよくわからないけど原発は怖い。とにかく原発には反対だ」というのが理由として大きい気がしてならないんです。いやもちろんちゃんと理由があって反対してる人もいるんだけど、その理由にもいろいろ言いたいことがあるので書こうかと。

・今回の事故で原発技術が危険だとわかった
福島第一の原子炉はもう40年以上前のもの。それこそ古いのが危ないのならばより安全性の高い最新の原子炉に建て替えるのではだめなのですか? 少なくとも個人的には古い原子炉は廃炉にしてさっさと新しい原子炉を建てるべきだと思いますが。

・原発は実は経済的じゃなかった
原発推進派の原発は経済的に対する反論。なるほど、原発は経済的ではない。では、それが本当だとしたらなぜここ数年世界的に原子力ルネッサンスと呼ばれるほど、原発の計画が持ち上がってるのですか? スリーマイル、チェルノブイリで散々原発の怖さは知っているはずなのに、経済的ではないはずなのに、なぜまた原発建造計画が持ち上がるのですか? これは原発がそれらのデメリットと同等またはそれ以上のメリットがあるからではないのですか?

・そもそも原子力は人間にとってオーバーテクノロジー
言いたいことは大体上のリンクの通り。人類は一度手に入れた新しい技術はそれを上回るメリットを持つさらに新しい技術が出てくるまでは絶対に離しません。強欲の生き物。火だって飛行機だってそれこそ「人間の手には負えないもの」でしょう。危険だから怖い、なくそうではなくて、メリットを生かすためにいかに事故を起こさないかということに苦心するのが建設的ではないのですか?

 あと、トリウム溶融塩炉のことは知ってますか? また、ぺブルベッドモジュール原子炉(PBMR)というのは知ってますか? 原子炉技術は革新が進んでいます。それらに対しても反対するのですか?



 反原発派は単に事故が起こった→なくせ、と言ってるようにしか思えない。原発のメリットデメリットを把握したうえで言ってるのならわかるが、「原発にはメリットがない、デメリットしかないんだからなくせ」は乱暴すぎる。とりあえずます反対派の人はもっと原子炉技術について知りましょうよ。
 
それこそプラネテスのロックスミスじゃないが「福島で得られたデータには満足してます。次は事故を起こしません」だと思うよ。
福島の事故でも原発は死なず(http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_217342
にもあるように安全をどんどんと高めていく方法しかない。

「ベスト」を求める国民性

 今回の原発騒動を見てて日本人はまさにタイトルの通り「ベスト」を求める国民性だな、と思った。「ベター」とか「ワーストではない」だと必ず文句が出る。
 普段ではこのベストを求めることがいい方向に働いていい意味でのガラパゴス化が進み、外から見たときに日本はすごいものを作ってるとなるけど、非常時においてはこの「ベスト」を求めることが足かせになってる感がある。ベストを求めるあまり非常時に求められる判断のスピードが鈍ってる感がある。
 非常時においては「ワースト」を避けることが第一。手持ちの少ない不確定な情報で判断しないといけない。そこでベストを求めるあまり様子見をして状況が悪化させるのではなく、どこかで決断をしなければいけない。どっかで書かれてたけど今必要なリーダーは、不確定な情報を基にこれは俺が責任を取ると言って素早く決断をするリーダー。最悪を避けることこそ重要。今はまだ最悪ではない。

「最悪だ」と言っているうちは、最悪ではない。 『リア王』