結論から言うと高校生の彼らの言っていることが正しくて、成層圏中のオゾンによる吸収で青くなる。NASAのページでまさにそのページがあった。
http://science.nasa.gov/science-news/science-at-nasa/2008/13feb_lunareclipse/
The source of the turquoise is ozone. Eclipse researcher Dr. Richard Keen of the University of Colorado explains: "During a lunar eclipse, most of the light illuminating the moon passes through the stratosphere where it is reddened by scattering. However, light passing through the upper stratosphere penetrates the ozone layer, which absorbs red light and actually makes the passing light ray bluer." This can be seen, he says, as a soft blue fringe around the red core of Earth's shadow.英語版Wikipediaの成層圏にあったこの写真のまさにこの白い部分、が成層圏。でオレンジの部分が対流圏。青いところはさらに上の中間圏だそう。
オゾン層は10-50kmぐらいだそうで、ターコイズフリンジがそれに対応していると考えるとじゃあ赤い光はどこを通っているのか。上の写真の赤い部分がそれだと考えられるけど定量的には?
月食中の月のスペクトルの分光をした研究があってそれで月食中に観測した月のある点に地球大気のどこを通ってきたのかを計算した結果だと下の図になる。
Yan et al. 2014
High resolution transmission spectrum of the Earth's atmosphere -- Seeing Earth as an exoplanet using a lunar eclipse
http://arxiv.org/abs/1405.4780
A点が4.2kmでB点が17.8km。つまりオゾン層の下の対流圏。
なのでやっぱり月食中が赤いのは地球大気下層、高度数kmから十数kmのところを通ってきているから(だから火山とかの影響も受ける)。赤い光は屈折して影の中にも光が入る。影のごく外側は高度の高いところを通ってきていてオゾン層で青くなる。高くなると空気の密度が小さくなって屈折率も小さくなるからほとんど直進して縁になるってことかな。逆にいうと影のどこを見るかで地球大気のどの高度を見るかに対応しているってわけだな。
あと補足だけど、なんで月食中の月を分光して観測しているかというと将来的に地球のような惑星が見つかってその大気を観測する時は月食のように、惑星をかすめてくる大気を調べることになる。その時にその地球のような惑星が本当に地球と同じようなのかって確かめるために月食で同じように観測して地球のテンプレを作っているってわけです。
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